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エンドブレイカー!(TW3) の言葉に聞き覚えの無い方は、どうぞ回れ右を。 ただの一人の道化師の、覚書。或いは、その記憶と記録。
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今日も曇天。
思えば、物心ついた頃の記憶で、一番古い記憶も、曇天だった。


スラム街を歩いていた。
膝は笑っていて、何故か持っていた大鎌に縋りつくように歩いていた。
何があったのかは、わからない。思い出せない。
ただ、前に進まなくては。そう思ったことは、確かに覚えている。


ある程度の地層に出たら、城塞騎士に保護された。
その中で、一人。
幼い私を気にかけてくれた女性がいた。
私は、彼女を気に入っていた。
こっそり、彼女がいつも気にかけていた笑顔を練習した。
私は、笑えなかったのだ。何故か知らないが、笑った記憶がない。もしかしたら、スラム街での最古の記憶以前は笑っていたのかもしれないけれど、思い出せなくて。
笑わない私を心配している彼女を、安心させてあげたかった。


ある日。
彼女の瞳に、何かが見えた。
彼女が、いきなり出現したバルバに襲われて、亡くなってしまう光景。
私は戦慄した。彼女が死ぬなんてこと、あっていい筈がない。だって、彼女は。
私の、私の――


私は次の日、彼女にこっそり練習した微笑みを見せてみた。
彼女は、とても喜んでくれた。
そうして、言った。

『今日は、未開発の地区に行く予定があったから。あなたの笑顔を見れて、元気が出たわ。帰ってきたら、もっと笑ってちょうだい』

私は、知らなかった。
その未開発の地区こそが、彼女の最期の場所になることを。


その後、私は彼女の墓に花を手向けた。
そして、かつて私が持っていた大鎌を手に、城塞騎士の管轄内の病院を飛び出した。
笑顔は、すっかりと消えていたような気がする。
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