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エンドブレイカー!(TW3) の言葉に聞き覚えの無い方は、どうぞ回れ右を。 ただの一人の道化師の、覚書。或いは、その記憶と記録。
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『もう少し、笑ってみたらどうだ』


その言葉を聞いたのは、エンディングを壊して壊して、暫く経った頃。
往くあての無い旅人と、生活を共にしていた頃だった。


『私は、笑えないんだ』


些細な、嘘をついた。
事実、私は過去に一度しか人に笑顔を見せていない。
その人は、喪ってしまった。

彼はぽかんとした様子で、なら、と私を無理矢理洋服屋に連れて行った。


『そんな陰気な服を着ているから気分も暗くなるんだ! 好きな服を選んでいいんだぞ』


どこからそんな金が出るのか。
お前は旅人じゃないのか。
旅人はそんなに稼いでいるものなのか。
疑問は次々と湧いたが、私は一言『黒がいい』と言った。

黒い服を好むのは、未だに昔の大切な人のことを引き摺っているからだ。
そんな心中も知らず、旅人は黒い道化師の服を選んで、私に着せた。


『こんな格好の者と歩いていて恥ずかしくないのか』


聞いたが、笑われるだけだった。


***


その旅人と暫く過ごした。
私は、なんとなく。
この旅人は、本当にいい人なのだと思った。

そして、そんな探り探りを入れてしか人と接していけない自分が心底空しくなった。
こんな風に、人を無条件に信じられたら、人生というものは私の前では光り輝いていたのだろうか。


幾つ、その旅人とエンディングを壊しただろう。
彼はエンドブレイカーではないのに、私と共にいることで幾つもエンディングを壊していった。
もっとも、見るのは私だし、マスカレイドを滅するのも私だったのだが。
だから、その日もいつものようにエンディングを壊すのだと思っていた。


標的の、バルバの姿を目視するまでは。


エンディングを見たことで、こいつと戦うことはわかっていた。
だが、足が石のように動かない。
細かな震えが、全身を駆け巡る。
エンディングを見た、少女を彼が身を呈して守った。

私は、彼の名前を呼んだ。
赤に塗れていく彼を見て、全身の血が引いていった。
動けないなんて言えなかった。
デモンフレイムを、何発も、何発も、打ち込んだ。


残ったのは、焼き焦げたバルバと、赤に塗れた彼。
私は、赤くなってしまった彼に、少女は無事に逃げたようだと告げた。


こういった時、彼は泣いたのだろうか。
私は、雨の日に、彼を埋葬した。
私の力では到底、濡れていない土は固くて掘り起こせなかったのだ。
墓前には、彼女と同じ花を手向けた。


残ったのは、後悔。
そして、胸の奥に残った、暖かさ。


雨の中。
私は、これが全て私の涙であればいいと考えていた。


昔の話、である。
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